No.002

築60年の文化住宅を地域の交流拠点に

築60年の文化住宅を地域の交流拠点に

千鳥文化は、食堂・商店・バー・ギャラリー・ホールや店舗が混在する街の文化複合施設。地域の交流拠点を目指し、築60年ほどの文化住宅をリノベーションしました。建築当初は、住宅、喫茶店、バー、理髪店として使われていましたが、空き家となり解体も考えられたところ、ひとびとの暮らしの痕跡を刻んだ建物を活かすことを考え、千鳥文化のプロジェクトがスタートしました。

北加賀屋を拠点に活動する建築家集団dot architectsの手によって、A棟とB棟で二期に分けてリノベーションを実施。建物は、造船業に従事したかつての住人が自らの手で増改築を繰り返し、どうやって建っているのかわかないほど複雑な構造でした。そのため、柱の1本1本を実測し、残していく柱を決めるという大変な作業から始まり、計画からA棟完成まで3年もの年月がかかりました。
B棟は2020年に再生。建物のもつ歴史を尊重しながら、外観は必要最低限の補修を行い、リノベーションならではの新旧入り混じる空間に生まれ変わっています。

元喫茶店だった場所は北加賀屋で活動するクリエイターが運営する「千鳥文化食堂」に。
2階のギャラリースペース。かつて旧千鳥文化住宅に住んでいた造船業に従事する労働者が自らの手で増改築を繰り返した跡がわかる、迷路のような間取りを残し再生しています。

これまで北加賀屋エリアはアートにまつわるイベント等が多く開催され、『目指してくる場所』という印象が強かった場所。地域の交流拠点として再生された千鳥文化は、北加賀屋エリアで時間を過ごす『滞在する場所』としての役割を担っていきます。
テナント区画もあり、現在入居者を募集中!詳しくはこちらをご覧ください。

2020年新たに生まれ変わった1階のテナント区画。道路から直接アクセスできる1階は店舗限定でどの区画も改装可能。
2020年新たに生まれ変わった2階のテナント区画。コンパクトながらに天井高があり、明るく開放感のある空間。
築60年の文化住宅を地域の交流拠点に

dot architects

家成俊勝、赤代武志により2004年共同設立。大阪・北加賀屋を拠点に活動。建築設計だけに留まらず、現場施工、アートプロジェクト、さまざまな企画にもかかわる。   https://dotarchitects.jp/

当時の千鳥文化住宅の様子(1988年5月) 北加賀屋エリアは大正時代より造船業で栄え、全盛期には約2万人が働いていました。
第一期リノベ―ション、解体工事中の様子。一部床を抜き、吹き抜けとすることで様々な部材が現れて、複数回にわたり増改築がおこなわれたことがわかりました。
現在の2階のギャラリースペース部分。迷路のような構造です。

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