Artist in Residence Program in Paris 2020/2021 アーティスト派遣のお知らせ
新型コロナウイルス感染症の為、派遣が延期となっていたアーティストの梶原瑞生さんが、2021年10月~2021年1月まで、パリのシテ・アンテルナショナル・デ・ザールに滞在します。
【Artist in Residence Program in Paris】
当財団、京都芸術センター、ヴィラ九条山の三者が主催し、アンスティチュ・フランセ、シテ・アンテルナショナル・デ・ザールと連携しフランス・パリでの滞在制作に取り組みたいアーティスト、研究者、キュレーターを対象にしたアーティスト・イン・レジデンスプログラムです。
[ 梶原瑞生 プロフィール]
1993年大阪府生まれ、京都市在住。
主に西洋のクラシック音楽を題材にし、正確に組み立てられた楽譜を身体的経験によって破壊・再構成するという試みを通して作品を制作している。記号を新しい情報に置き換えることへの関心から出発し、音楽を通して現代と古典を繋ぐことで、現代アートの新しい可能性を探る。
主な展覧会に
・KUAD ANNUAL 2020 フィールドワーク:世界の教科書としての現代アート, 2020年、東京都美術館、東京
・ ULTRA GLOBAL AWARD 2017 Exhibition 新しい泉のための錬金術―作ることと作らないこと、ギャルリ・オーブ、京都 など
mizukikajiharaportfolio.tumblr.com
[滞在制作内容]
『生への復帰、あるいは』
このプロジェクトは、エクトル・ベルリオーズの代表作、通称「幻想交響曲」を出発点とする。彼は個人的な失恋の経験から着想を得て5部からなる交響曲とその続編を執筆したが、いずれも本人によって「恋人(ハリエット・スミッソン
1800-1854)」と具体的に定義されるフレーズが何度も変化して現れることが特徴である。
音を1つのモチーフと明確に同一化させるというルールが、言語の果たす役割とも非常に似ていることに着目したこのプロジェクトでは、幻想交響曲で使用される代表的なフレーズを伝言ゲームのように伝えてゆき、その変化を記録する。
それぞれが演奏するフレーズの変化は、土地や環境からなる人間一人一人の認識の違い、言語とモチーフの結びつき方の違いを反映する。
イデー・フィクスと呼ばれる手法においてベルリオーズはイデー(idea)を固定化し、音楽の持つ役割を限定した。その具象的な音楽を再び抽象化することで、音楽を超えた「人間の認識」に焦点を当てる。