2019年度公募助成選考結果について

2019年度公募助成選考結果を当財団HPにて公開しました。

詳細は「過去の助成事業」をご覧ください。

| 総評 |

2019年度公募助成に対しては、「創造的場づくり助成」は45件、「創造活動助成for U30」は10件、「スペース助成」は7件、計62件の申請がありました。今回、助成プログラムリニューアル後、初の公募でしたが、これまで財団との関わりがあまりなかったジャンルや地域、年代から申請が寄せられ、大阪の文化の多様性を再認識するとともに、潜在的な可能性を改めて感じる機会となりました。

新設の「創造的場づくり助成」の選考では、「大阪の創造環境整備への貢献度」「独創性」「実現性」「波及効果」「助成の必要性」の5つの観点から審査を行い、5件が採択されました。地域コミュニティに根ざしたもの、インバウンドへの積極的なアプローチを試みるもの、文化の入り交じる場の形成など、大阪のアートシーンの活性化に不可欠な要素が強い事業が選ばれました。そして、これからの3年間の中で、自分たちの活動をどのように発展させようしているのかも、採択の上で重要なポイントとなりました。

「創造活動助成for U30」の選考では、大阪で活躍する若手育成という趣旨のもと、「独創性」「実現性」「波及効果」「助成の必要性」の観点から審査を行い、3件を選出しました。活動内容の質の高さだけではなく、目的意識の高さや同世代への影響力などを考慮した上で決定しました。今後も若い世代からの積極的な応募を期待しています。

「スペース助成」の選考では、「大阪の創造環境整備への貢献度」「独創性」「実現性」「波及効果」「助成の必要性」の観点に、スペースのポテンシャルを引き出す魅力的な内容かどうかを加味して審査を行い、1件を選出しました。大阪府外の団体からの採択となりましたが、名村造船所跡地の特殊性を活かす、実験的で発進力の期待できる企画として評価されました。

今回初めて公募した「創造的場づくり助成」の申請書では、大阪のアートシーンの現状分析や課題認識、それに対する具体的なアプローチ方法について記入いただきましたが、それぞれ真摯に検討し記入して下さり、時には想定していなかったような指摘や提案もあって、そうした内容に触れられたことは当財団にとっても非常に有意義な機会となりました。助成の採択件数は5件と限られていますが、惜しくも採択に至らなかったご申請活動の中でご提案のあった課題認識や解決案などについても、今後当財団の他の事業に反映させていければと思っております。